ノックです。
AKB48「ハステとワステ」という曲を知っていますか?
フジテレビ系列「めちゃイケ」というバラエティ番組のとある企画で、AKB48の川栄李奈ちゃんが英語のことわざ
・Haste makes Waste
を和訳せよ、という問題に対して、 おバカ回答をして最下位となった問題にちなんで作られた曲です。
ハステとワステ MVの一部↑
ノック本人も当時はまったく英語を勉強していませんでした。テレビを見ながら全然自分もわからなかったのを覚えています。
ちなみに川栄の回答は、
「ハステとワステが仲良く作った」と答えてました(笑)
ではいきましょう!
Haste makes wasteってなんなの?
川栄さんのお馬鹿解答連発に会場が笑いで飲み込まれていましたが、実際のところこの問題に全員が答えられたでしょうか?
結論からいうと、日本語訳は「 急がば回れ」ということわざと一致するのですが、どこがどうなってそのような訳になるのかを一緒に見ていきたいと思います。
3語という短い単語数で構成されているこの文章ですが、実は文法上注意するべきことが沢山詰まった文章なんです。
まずは単語それぞれの意味を調べていきましょう。
英単語 | 品詞 | 意味 |
---|---|---|
Haste | 名詞 | 急ぎ、急速、せくこと、あせること、性急、軽率 |
makes | 動詞 | 「make(作る)」の三人称単数形 |
waste | 名詞 | 浪費、むだ |
引用:Weblio
主語+述語+目的語という文型になっているので「SVO」の文型ですね。
ここで単純に訳すと、「急ぎは無駄を作る」と、かなり短縮された文章になってしまいます。この一言だけでことわざの予備知識なしにこの文章の全体の意味を理解できる方は少ないと思います。なぜこれで「 急がば回れ」の訳になるのか、大枠は分かっていても心から納得できていない方も多いのではないでしょうか。
ポイントとしては、この文章が ことわざであるという点です。単に日常会話で使われるレベルの文章であれば、状況に応じてより詳しい説明が求められるのですが、これは ある一定の概念をできるだけ短いフレーズで表現したことわざなので、一言の中に多くの意味が含まれています。
ですので、この文章だけで「早く着こうと思うなら、危険な近道より遠くても安全確実な方法をとったほうが早く目的を達することができる」という一つの概念が 凝縮して、この文章になっているのです。
「無駄(waste)」と一言で表されていますが、それは
- waste of time
- waste of movements
というように、様々な意味での無駄が込められているのですね。
「めちゃイケ」での川栄李奈ちゃんの回答「ハステとワステが仲良く作った」の 問題を英語学習の観点から説明すると、(問題だらけですが)
- まず「Haste 」と「waste」という単語自体を知らなかった
- SVOの文型なので川栄さんのように単につなげて「◯◯と☓☓」では不正解
- 知らない2つの単語を「人物」と捉え、知っている「make」という単語を組み込んで無理やりに文章を作った。
- 「仲良く」という単語はどこから出てきたのか不明
という点ですね。
「ああ、Haste makes waste」は「急がば回れ」という意味か。
大抵の人はここで納得して終わりだと思います。
しかしノックは「Haste makes waste」について更なる調査を行いました。
すると、 驚くべき事実が発覚。実は、このHaste makes wasteということわざ。まだ続きがあったんです。
Haste makes wasteの続き、
日本語の意味としては、「急いては事を仕損じる。無駄は不足を生み夫婦はケンカする。」
といった意味です。
つまり、 急いでいいことは全くないとうたった表現ですね。
何かをできるだけ早く達成するために急いでいるのに、むしろ時間や動きの無駄が出て、その無駄のせいで足りないところが生まれ、そのせいで余計なトラブルまで創出してしまうといったオチです。
このことわざには似たようなものがいくつもあって、
- Always in a hurry, always behind.
- A short cut is often a wrong cut.
- Make haste slowly.
- Step by step one goes far.
などがあります。それだけ、世界的に認知されている概念だということですね。
「Haste makes waste」の使い方
この「ハステとワステ」一曲を作るほどの大反響を読んだおバカ回答の川栄李奈ちゃんですが、この曲のセンターを務めています。
このようにアイドル活動を頑張る李奈さんを襲った「 AKB48握手会傷害事件」を知っていますでしょうか?
事件が起こったのは、CDを購入した人なら誰でも参加できる「 AKB全国握手会」のイベントにて。そこに紛れ込んでいたのが のこぎりを持った犯人でした。
一番列が空いていた川栄李奈の列で待ち構え、順番がくるやいなや 川栄さんとほか3人を持っていたのこぎりで切りつけたのでした。
動機はというと、2014年に失業し、途方に暮れていた24歳の男性。テレビ番組でAKBを見て、「収入が多い」「自分とは正反対」などと不満に思ったことで犯行を決意したということ。
テレビでキラキラしているAKBのメンバーに、 収入も含めて 劣等感を抱き、男性としてプライドがやられてしまったのでしょうか。結局この男は、傷害罪および銃刀法違反罪で起訴されたそうです。
人生誰にでも路頭に迷う苦労の時はあります。そんなときだからこそ、 冷静になって自分を見つめ直し、他人に被害を与えない方法で最善の解決策を見つけることが大事なんです。このように、 単発的な感情の高ぶりのせいで一生の傷となる 犯罪者のレッテルを背負うことになったこの犯人に言ってやりたいですね。「 Haste makes waste」。
結局この犯人は、刑務所にて何年間も時間を経過した後、犯罪者としてのハンデを負いながら改めて就職活動をしなければいけないわけですから、急いて事を仕損じた上に、無駄も生まれていますね。
このように、人生において大きな教訓となるメッセージが込められているからこそ、日本でも英語圏でも長く大切にされるフレーズとなっているのでしょう。
このフレーズですが、日常会話で使うこともあります。どのように使われるのかというと、
Let’s finish the project tomorrow after we have had some rest. Haste makes waste.
明日は少し休んだらちゃちゃっとプロジェクトを終わらせよう。 こういう時は急がば回れだよ
こんな感じで使います。
忙しい時ほど失敗するもの。ゆっくり着実に作業をこなした方がミスは少ないという教えですね。
パンチのある短い英語ことわざ20選
「Haste makes Waste」のように、短くてパンチのあることわざって、印象が強くて心に残りますよね。
そんなことわざは、他にも沢山あります。
以下に見ていきましょう!
-
A loveless life is a living death.(愛のない人生は生きながらの死である)
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A fool in a gown is none the wiser.(学ぶバカより賢いものはない)
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Big fish eat little fish.(大きな魚が小さな魚を食べる。)
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Birds in their little nests agree.(小さい巣の中の鳥たちは仲が良い)
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It’s either all or nothing.(全てを得るか、何も得ないかのどちらかだ。)
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Lost time is never found again.(過ぎ去った時間はもう二度と戻らない)
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Blood is thicker than water.(血は水よりも濃い。)
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No pain, no gain(痛みを感じずにして得ることはできない)
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Manners make the man.(徳は人なり。)
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Many hands make light work.(手が多ければ仕事は楽になる。)
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Confess and be hanged.(告白して絞首刑になれ)
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True beauty lies within.(本物の美しさは中にある)
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Love sees no faults.(愛は盲目)
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Marriage is a lottery.(結婚はくじ引きだ)
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He who hesitates is lost.(拒否するものは負けだ)
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Nothing dries sooner than a tear.(涙より乾きやすいものはない)
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Bad news travels fast.(悪い噂ほど早く回る)
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Better to go back than go wrong.(間違えた道に進むより、戻る方がマシだ)
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Least said, soonest mended.(言わぬが花)
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No cross, no crown.(十字架なければ栄冠なし。)
まとめ
いかがでしたか?
英語には「Haste makes waste」みたいなことわざって紹介したものに限らずまだまだいっぱいあります。
なんか、外国人も日本人と考えてる事は同じなんだなと共感しちゃいました^^
こうして疑問を持たせてくれた川栄李奈ちゃんには感謝感謝です。