日本人であればよく使う「お疲れ様です」というフレーズ。
英会話の時に、英語で同じフレーズを言おうとしたとき、困ったことはないですか?
そういえば、「こんにちは」とか、「ありがとう」、「ご機嫌いかが?」などの基本的なフレーズはもう習ったけど、
「お疲れ様です」にあたる英語フレーズは習ったことがないかも…。
そんな人のために、今回は「お疲れ様です」の英語訳についてお話していきます。
「お疲れ様」の直訳は存在しない!?
「お疲れ様です」の英語訳は、結論から申し上げますと、 存在しません。
お疲れ様、と「お決まりの言葉」で、お互いをねぎらう文化は、日本独特のものであるからです。
ですので、外国人に対して「お疲れ様」といいたければ、英語でそのシチュエーションに合うフレーズを使って別の言い方をしなければいけません。
しかしながら、日本人は「お疲れ様」を様々な場面で使います。
- 単なる挨拶として
- 感謝の気持ちを表したいとき
- 相手へのねぎらいの言葉として
- お互い力を合わせて何かを達成・終了したとき
このような様々な場面で、使うフレーズもそれぞれ異なってきますので、注意が必要です。
では、どんな場面で、どんなフレーズが使われるのか、一緒に見ていきましょう。
オフィス
オフィスで使う「お疲れ様です」は、どのような言い方をするのでしょうか?
朝でも夜でも挨拶に使う「お疲れ様です。」
会社内で同僚とすれ違ったときや、朝の出勤時にお互いに 挨拶の意味を込めて、
「おはようございます。」の代わりに「お疲れ様です」を使うことも多いでしょう。
これは、時間やタイミング問わず、単なる挨拶として決まりきった「お疲れ様です」で、便利ですよね。
- Hi.
- Hello.
- Good morning.
というように、挨拶の言葉は色々ありますが、この場合の「お疲れ様です」に一番近いのは
- Good day.
ではないでしょうか。
「挨拶」のみに使われるような高速感もなく、お互いの調子を上げるような美しいフレーズです。
また、英語の場合、意味もなくお互い取り交わすフレーズとして、
- How are you doing?
- How are you?
などがあります。
これは、日本語の「お疲れ様です」のように一方通行な言葉ではなく、相手の調子を聞きながら軽い会話になる感じですね。
これは、意図は同じでも表現と文化の違いといえるでしょう。
ミーティングなどのイベントが終わった時に使う「お疲れ様です」
ミーティング終了したとたん、社員みんなが立ち上がる時に「お疲れ様です」と掛け声のように一言言って終わりになりますよね。
そんなタイミングで使われる「お疲れ様です」は英語ではどんなフレーズになるのでしょうか。
それは、
- Thank you guys.
というのが一般的でしょう。
「guys」というのは「みんな」という意味で、ミーティングに参加した全員に呼び掛けている感じですね。
このフレーズはミーティングだけじゃなくても、先生が授業の終わりに生徒全員に向けても使います。
ミーティングの主催者やプレゼンテーターから全員に向けて最後に「ご清聴ありがとうございました」というようなお礼の言葉を差し上げたいときには、
- Thank you for your participation.
といったフレーズが使われます。
仕事が終わり帰宅する同僚に使う「お疲れ様です」
帰宅する相手に向けていう「お疲れ様です」も、上記とは少し違った言い方になります。
- Have a nice weekend.(よい週末を!)
- See you tomorrow. / See you on Monday.(明日会おう/月曜日に会おう)
- Enjoy your holiday.(よい休日を!)
- Have a lovely night.(素晴らしい夜をお過ごしください)
- Have a nice rest of the day.(残りの一日を楽しんでね。)
このように、「今までしてきたこと」ではなく「 これから楽しみにすべきこと」にフォーカスを置いて話すのが英語式です!
また、これとは別の意図で、沢山働いてやっと帰る同僚に対して、
- You must be tired. / You’ve got to be really tired.(きっとすごく疲れてるだろ。)
と、「お疲れ様」に近い言い方もできますね。
頼んだ仕事をやってくれた部下に対する「お疲れ様です」
いい仕事をしたときに、「でかした!」「よくやったぞ」というニュアンスの入った突発的・単発的なフレーズは、
- Good job!(よくやった!)
- Good work.(いい仕事した!)
- Well done!(よくできた!)
であり、落ち着いて普段の頑張りやこれまでの貢献を評価したいときには
- Thank you very much for your hard work.(頑張ってくれてありがとうございます。)
- I appreciate for your hard work.(君の頑張りに感謝するよ。)
といったフレーズになります。
退職する同僚へ「お疲れ様でした」
定年退職する上司に向けて、退職後の祈りを込めた「お疲れ様でした」のフレーズは
Hope you have wonderful time after retirement.(退職後も素敵な時を過ごして下さい)
また、転職をする同僚に向けてのはなむけの言葉はこんな感じです。
- Good luck on your next job!(次の仕事での幸運を祈っているよ)
- Hope you do well after this,(今後も元気でいてね)
学校の友達
学校の友達に使う「お疲れ様」にはどんな言い方があるのでしょうか。
別れ際に使う「お疲れ」
学校で別れ際に「さよなら」の意味を込めて言う「お疲れ~」を英語にすると、
- Bye
- Cheers.
というような単純な「さよなら」の言葉になります。
また、「別れのあいさつ」に使う単純な一言に限らず、
- See you tomorrow(明日また会おう)
- Have a good rest!(よく休んでね)
こういったような追いの一言も合わせて使うことが多いです。
授業を終えた「お疲れ」
授業を終えた友人に対しては、授業を受けた疲れへのねぎらいのコトバではなく、
- How was your class?(授業はどうだった?)
- Did you enjoy the class?(授業は楽しんだ?)
というように、授業を「 楽しいモノ」と捉え、ポジティブに表現する、
かつ「どうだったか」「楽しかったか」を聴くのが英語式です。
同じテストを終えて互いに「お疲れ」
テスト期間は学生にとって地獄の日々です。
そんな辛い試練を一緒に乗り越えた友人とかわす「お疲れ様」は、英語ではこうなります。
- Oh, it’s finally done!(やっと終わった!)
- We are finally free!(やっと自由だ!)
- Oh god, it’s been so long.(ちくしょう、長かったぜ!)
このように、感情を表現しながら「やっと乗り越えた!」という歓喜のフレーズをみんなで交わすのが一般的。
これが英語圏ならではの雰囲気です。
メール
冒頭文に使う「お疲れ様です」
メールの冒頭文にも、単純な 挨拶として
- お疲れ様です
- お世話になっております
などの言葉を並べてよく使いますね。
そんな時に使う英語のフレーズはどんなものがあるでしょうか。
英語にも、挨拶程度の意味で冒頭文に並べる言葉があります。それは
- Hope you are doing well.
- I hope you are well.
どちらも「お元気でいらっしゃることを願います。」という意味で、日本語の「お疲れ様です」の意図に近いですね。
対面の会話の、「How are you?」の代わりになるフレーズですね。実際の会話ではないので、返答を聞くことができないため、この形になったようです。
家族
仕事に出かけていた家族が返ってくるときの「お疲れ様」
出かけていた家族が戻る時、出迎えのフレーズとして使えるのが、
- Welcome back!(お帰りなさい!)
です。
仕事の疲れに対してねぎらいたい場合は、上記で紹介した
- You must be tired. / You’ve got to be really tired.(きっとすごく疲れてるでしょうに。)
を使います。
家族へのねぎらい「いつもお疲れ様。」
妻(子供)から夫へ、あるいは逆に感謝の言葉を投げかけたいときに使う「お疲れ様」は、
- hard work
- support
という言葉を織り込んで、
- Thank you for your hard work.(一生懸命働いてくれてどうもありがとう)
- Thank you for always being a great support(沢山支えてくれてどうもありがとう。)
- Thank you for all you’ve done for our family.(家族のためにしてくれたことすべてにありがとう。)
という風になります。
まとめ
いかがでしたか?
こうしてあらためて「お疲れ様」というフレーズを分析してみると、
その短い言葉の中に気遣いやねぎらい、カジュアルな挨拶など様々な意味が含まれていることがわかりますね。
それを直訳するコトバそのものはないにしても、文化ごとに表現の仕方が異なるだけで、意図を汲む言葉は必ず存在します。
そのような異なる文化の表現の仕方やジェスチャーを習得して、初めてその国の言語を学ぶことになるのです。