ノックです。
「 品詞分解」と聞くと鳥肌が立つ英語学習者さんは多いのではないでしょうか。
品詞分解が英語学習者にとって苦手意識を強く与えている原因は、その ややこしさです。
一回分かった気になっても、またしばらく経つと忘れてしまう…
名詞や動詞などはハッキリわかるけど、 副詞とか形容詞は曖昧。また、neverthelessだとかmisunderstandingsだとか、 ややこしい連なりの英語が出てきたらもうお手上げ。
そんな方々のために、今回は品詞分解を今一度きっちり復習したうえで、覚えるべき品詞っていったい何個あるのか、そして語尾がこうなら品詞はこう!と言い切ってしまえる定義を用い、分かりやすく品詞分解の説明をしていこうと思います。
品詞とは何か
品詞とは、英単語の持つ意味を特定の種類に分けたものであると定義されます。
英語というのは、単語が一つ一つ几帳面にズラーっとならんで文章を構成していますね。
その単語一つ一つには、 種類があり、それぞれの 役割があるんです。
例えば、
- リンゴが割れる
- パイナップルを切る
という日本語の文章があったとします。
ここでは助詞は抜いて、それぞれの文章に入っている
リンゴ、 割れる、 パイナップル、 切る
という4種類の単語をそれぞれ2種類に仲間分けしましょうとあれば、それぞれの果たす役割が明白ですので、簡単に仲間分けできます。
リンゴ、 パイナップル というのが仲間
そして「 割れる」と「 切る」というのがもう一つのグループといえるでしょう。
このとき、なんとなーく自然にそれぞれの類似性や種類を見分けたと思いますが、
「リンゴ」や「パイナップル」などの種類に入るものは名詞
「割れる」だとか「切る」という動作を表すワードは動詞という、 文法上理にかなっている仲間分けをしているのです。
英語でいうと、
「apple」「pineapple」名詞/「break」「cut」動詞
となりますね。
このように、同じ共通点をもつ仲間で分けたものが、品詞というまとまりなのです。
英語の品詞は何種類あるのか
皆さん、品詞はどんなものがあるのか、即答できますか?
英語を勉強する上で場面場面でちょこまか出てきたため、いざ何種類かと聞かれたら戸惑ってしまうでしょう。
実は、英語でいう品詞の代表的なものには、全部で10種類あります。
- 名詞
- 代名詞
- 動詞
- 助動詞
- 形容詞
- 副詞
- 前置詞
- 接続詞
- 冠詞
- 間投詞
以上にあげたものをマスターすれば、大体文章に入っているすべての単語は品詞分解できるといえるでしょう。
冠詞、間投詞など聞きなれないものもありますが、それぞれどんなものなのでしょうか?
日本語と例文を織り交ぜて、以下に詳しく説明していきます。
英語の品詞それぞれの説明
それぞれの品詞を一つ一つ復習していきましょう。
名詞
名詞は「 もの」「 こと」「 ひと」「 概念」を表す単語です。
キッパリと言い切ってしまうことができるものですね。
car, house,catなどはもちろんのこと、MarryだとかJaneなどの人の名前もこの 名詞のうちに入ります。(固有名詞ですね。)
また、例えば、Entering(入ること)、understanding(理解すること), kindness(優しさ)、love(愛)など実体のないものも名詞に入るので注意が必要。
このように原形の形が変わった複雑な単語になってきたら、語尾で名詞かどうかを見分けることができます。
それは、のちのコラム「語尾で分かる品詞の種類」で説明していきますので、ご安心ください。
代名詞
主語を必須とする英語という言語では、沢山の 代名詞が多用されます。これも、英語の独立した品詞として認識されています。
代名詞とは、例を挙げると
- he
- she
- you
- I
- it
- they
- that
- those
など、 何かを指して代わりに使うもの、特に前にその指し示すものの正体が出てくることを前提とした単語たちの仲間です。
例を挙げると、
- 私のおばあちゃんは皿を割るやいなや、 私のおばあちゃんはほうきとちりとりを取りにとんでいった。
だと、 主語が被ってクドくなりますね。
これを省略すると、
- 私のおばあちゃんは皿を割るやいなや、ほうきとちりとりを取りにとんでいった。
というように自然な文章になるのですが、日本語に比べて主語を完全に省略することのできない英語だと
「 she」というように代名詞が投入されることになります。
動詞
動詞は「動作や状態」を表すもの。これは、見分けやすいですよね。
- exercise(運動する)
- meet(会う)
- count(数える)
- hit(たたく)
などがあります。また be動詞の are, is, amだとか was, wereなども動詞に入るので覚えておきましょう!
また、動詞は省略はめったにされることがなく、大文字から始まってピリオドで終わる文章の中には必ず一つは動詞があります。
助動詞
助動詞は数が限られていますが、英語の勉強をする中で一つ一つをじっくりと時間をかけて習うものです。
助動詞の後には動詞の原形が来るというルールがあり、文章に「~するべきだ」だとか、「~可能性がある」「~かもしれない」などの 付加的な意味を付け加えます。
英語の勉強をする学生が習う助動詞の代表的なものには、
- will 強い意志
- would 控えめな意志
- can 実現可能
- could 実現可能かわからない
- may 妨げるものがない
- might あり得る
- shall 何かを負っている
- should 義務感
- must 強制
などがあります。
形容詞
形容詞は、名詞を修飾して意味を付け加える単語の数々です。
例えば、「大仏」という物体に対して、描写できる形容詞は以下のようなものがありますね。

- big(大きい)
- hard(硬い)
- kind (やさしい)
- impressive(印象的)
- smiling (笑った)
- interesting(興味深い)
- motionless(動かない)
以上にあげたものは全て大仏という名詞をかざる形容詞となります。
副詞
副詞とは、「 動詞・形容詞・副詞または文章全体に意味を追加する語。副詞によって、文中に使われる位置が異なる」と定義されています。
つまり、名詞以外の要素に意味を追加するものは 副詞といってよいわけですね。
非常に万能な単語ですが、その分 決まったルールが見出しにくいため見分けることが困難な品詞に入ります。おそらく皆さんは、品詞と来たら副詞あたりで混乱することでしょう。
しかし、副詞にもかなりシンプルな語尾の見分け方があるので、以下のコラムで紹介していきますね。
前置詞
前置詞とは、
- 時間
- 場所
- 方法
- 位置
- 原因
などの 方向性を示す単語です。
名詞とセットになって、文章全体に何かしらの追加情報を付け加える働きがあります。
日本語でいうと、
名詞 とセット になって、文章全体 に何かしら の追加情報 を付け加える働き があります。
赤文字で示した部分にあたる単語ですね。
英語の前置詞には
- in
- on
- at
- against
- along
- toward
- to
- for
- from
- of
- over
- through
のようなものがあります。
接続詞
接続詞は『 単語や文のつながり』を表す単語のことです。
- After
- Because
- When
- But
- Until
などのものに代表されるように、接続詞の後ろにS+Vが付き、2つ以上の文をくっつけるのに大きな役割を果たすもの。
例えば、「料理を作る 前に手を洗わないとね。」「僕が返ってきた 時、ふたりとも倒れていたんだ!」のように、文の中で 接着剤のような役割をするものです。
接続詞なしの文章を作ると、非常に読みにくく感情の伝わりにくいものになります。
例文
I talked to Jessica. She ignored me. I wondered why. I thought “did I do anything wrong?” I found out she was just depressed. She will be transferred to another class.
ジェシカに話しかけた。彼女は私を無視した。私は戸惑った。「なにか変なことをしたかな」と思った。彼女は落ち込んでいたことが分かった。彼女は他のクラスに移されることになった。
これが『接続詞なしの文』なんですが、すごく読みにくいですよね。
対して、接続詞を入れると以下のように文章動詞の関係性が分かり、スムーズに読んでいくことができます。
I talked to Jessica but she ignored me. I wondered why and I thought, “Did I do anything wrong?” Afterwards, I found out she was just depressed because she will be transferred to another class.
私はジェシカに話しかけたが、彼女は私を無視した。戸惑い、「何か変なことをしたかな」と思ったのだが、のちに彼女が別のクラスに移されることになったから、ただ落ち込んでいただけだったと分かった。
間投詞
間投詞とは、感情を表す語であり、他の品詞とは切り離されて使われます。
何か悲しいことがあったとき、嬉しいことがあった時、驚いた時に口からこぼれるのが 間投詞。
例を挙げると、
- Oh!
- Damn!
- Oh my god(ひとまとまりとして)
などの言葉がこの間投詞に分類されます。これはカンタンですね。
冠詞
冠詞は、aやtheなど名詞の前について指定、特定する言葉です。
- a
- the
- these
- its
などがそれにあたります。
語尾で分かる品詞の種類
先ほどからちらほらと、「語尾で見分けることのできる品詞の種類がある」ことを強調してきましたが、語尾によって見分けられる品詞の種類は 3種類あって、
- 名詞
- 形容詞
- 副詞
です。
これらはなぜ語尾に特徴が出るかというと、それぞれ数が限りなく多いからです。
どういうことかというと、例えば皆さんも動詞を名詞にする方法として「 ~ing」を付けることを習ったことかと思いますが、そのように 一定の決まりがあれば、もともと動詞だったものを 簡単に名詞にできますよね。
この「~ing」のルールがあるおかげで、
- picking
- smiling
- carrying
- misunderstanding
- verifying
など、数限りなく単語ができるわけです。
そのようにして、ある原形の語があって、それを名詞形・形容詞形・副詞形にする共通したルールがあって、さまざまな「 派生語」が通用しています。
このため、必然的に語尾に特徴が出てくるのです。
このような派生語の特徴を、逆に品詞を読み取る時に応用すれば、楽に
「この語尾にはlyがついているから副詞だね。」
「この単語の語尾には-tionがついているから名詞だね。」
「この単語の語尾には-iveがついているから形容詞だね。」
と見分けることができるんです。
なので、それぞれの語尾につくことのある英字のルールを確認していきましょう!
名詞
語尾について名詞にする字列は以下のようになります。
- -tion:
information(情報) condition(状態)
- -sion:
decision (意思決定) persuasion(説得)
- -ity:
quantity (量) quality (質)
- -ty:
royalty(忠誠)beauty (美しさ)
- -th:
birth (健康) growth(成長)
- -ment:
supplement (サプリメント) apartment(アパート)
- -ness:
kindness (やさしさ) wellness(幸福)
- -ance:
announce (アナウンス) balance(バランス)
- -ence:
entrance (入り口)reference(参照)
- -cy:
policy (ポリシー)bankruptcy(破産)
- -er:
employer (雇用主) hunter(狩人)
- -or:
doctor (博士) professor(教授)
- -ee:
employee (被雇用者) trainee(トレーニングを受ける人)
形容詞
形容詞の語尾にも特徴があります。
- -able/-ible:
possible(可能な), accessible(アクセス可能な)
- -al:
financial(財務の)、special(特別な)
- -ant:
brilliant(素晴らしい) arrogant(だいたんな)
- -ent:
independent(独立した)、confident(自信のある)
- -ar:
similar(似た) liar(うそつき)
- -ed:
limited(限定的な)
- -ful:
successful(成功した) beautiful(美しい)
- -ic/-ical:
basic(基本的な), economical(経済的な)
- -ive:
massive(巨大な), active(活動的な)
- -less:
useless(使えない), helpless(希望のない)
- -ory:
contributory(一因となる) mandatory(義務的な)
- -ous:
enormous(巨大な) famous(有名な)
- -y:
busy(忙しい) easy(やさしい)
副詞
副詞には「often」や「once」など色々なものがありますが、語尾に
- -ly
がよく付きます。
例としては
- slowly
- greatly
- radically
- happily
などがあります。
SVOCMから見分ける品詞の種類
英文を構成する要素としての SVOCMというものがありましたね。
例えば、英語の文章の中でこれは「副詞」なのか「形容詞」なのか分からない!品詞の種類が分けられない!といったときに、この SVOCMを知っておけば、ある程度どの品詞にあてはまるのか予想がつきます。
SVOCMと聞くと、聞いたことがある人も品詞と同様それほどまでに強く印象に残っていない方が多いのではないでしょうか。そのような方のために、以下にまとめていますので、復習しておきましょう。
- S → 主語、句、節
- V → 述語、句、節
- O → 目的語、句、節
- C → 補語、句、節(対応するSやOと同格になる時)
- M → 修飾語、句、節
また、これらが使われて文章を構成するときの組み合わせの種類は5種類ありましたね。
第1文型 SV
I understand
第2文型 SVC
I became a teacher.(I = a teacherとなるのでC)
第3文型 SVO
She kicked him.(Sheはhimと同じではないのでO)
第4文型 SVOO
She gave him a muffin.(himはa muffinと同じではないのでO)
第5文型 SVOC
He made me angry.(me = angryとなるのでC)
もう一度確認しますが、全ての文はこの5種類の文型のいずれかに当てはまります。
そしてMは、補足情報ですね。
この時に、基本的な構文はSVOの文型と分かりますが、「 on the way home」にあたる部分は補足情報となりますので「 M」となります。

さて、上にまとめたのはそれぞれの品詞がどの構文の要素と強い関わりを持つか、です。
述語にあたるものは、基本的に動詞と助動詞のみとなっているので、文の要素のなかで述語の品詞を問われたら、すかさず 動詞と答えられますね。
また、目的語と補語に関しては、両方とも同様で名詞・代名詞・形容詞のいずれかがくる形となります。したがって、構文を読み解いてみて目的語にあたる単語がどの品詞なのか考える時、 副詞が来るはずはないので選択肢から外すことができます。
また、追加情報にあたるものは品詞のいずれが来てもおかしくないので、ここは気を付けましょう。図がぐちゃぐちゃになるので書き足しませんでしたが、
- 副詞
- 前置詞
- 接続詞
- 間投詞
だけでなく、
- 名詞
- 冠詞
- 代名詞
- 動詞
- 助動詞
- 形容詞
も追加情報の部分に含まれることは多くありますので、注意しておきましょう。
まとめ
いかがでしょうか?
分かりにくいところをピンポイントで説明したばかりではなく、「これが来たらほとんどの場合名詞!」だとか「これが来たらほとんどの場合接続詞!」などといった 証拠になるものも合わせて説明しました。
皆さんの英語の品詞への理解もぐっと深まったのではないでしょうか。
品詞は第二言語として英語を勉強する上で、高度な英語の問題、解説を読んで理解するためには必ずマスターしなければいけない概念ですので、分かりにくいからといって読み飛ばさず、しっかり向き合いましょう。
品詞分解に関する記事はこちらも参考にしてください。↓↓↓