ノックです。
現在進行形の分野を勉強し始めて迷うのが、現在進行形なのか現在形なのかというところですよね。
例えば、「私は彼が犬を飼っているのを知っている」という文章を英訳しなさいという問題があったとします。正解は、
ですね。ただ、こう答えたらバツになっちゃうんです。
× I am knowing that he is having a dog.
「あれ?日本語訳が”~している”なら、現在進行形にするんじゃないの?」
こんな疑問を持っちゃった方はこの記事が役立ちますよ!
現在進行形にできない動詞
現在進行形にできない動詞の特徴とはつまり、
継続状態
を表すものです。
このように、継続状態を表す動詞をまとめて
状態動詞
と呼びます。
この対義語が、 動作動詞です。
つまり、状態動詞には現在進行形が使えて、動作動詞には現在進行形が使えない
というトリックになります。
たとえば、英語の動詞「contain」は状態動詞です。
「contain」の日本語訳は「含んでいる」ですね。
含んでいるというのは動きがある動作ではないですね。
継続状態が表現された状態動詞です。
何かを「含んでいる」状態は、それが存在するかぎりずっと「含んでいる」状態のままです。

対して、「talk」というのは状態でなく動作ですね。
人がいて、口がせわしなく動き、発声して初めて「talk」となります。

このように、「いつか終わることがわかっている」一連の動作に現在進行形は使われるのです。
1つの動詞でも継続動詞と動作動詞がある場合がある?
この状態動詞と動作動詞に関しては、1つの動詞でも使い方が分かれる場合があるので厄介なんです。
つまりどういうことなのか、以下に例を挙げてみました。
have
「having」というようにこの動詞が~ing形になっている姿はよく目にしますよね。
例)He is having ramen.
なのに、なぜ
× I am knowing that he is having a dog.
この文脈では「having」は使ってはいけないのでしょうか?
それは、上記のそれぞれの「have」が沢山の意味を持つ中で、
- 「食べる」(動作動詞)
- 「飼う」(状態動詞)
という違いがあるからです。
当然ながら、「飼っている」状態は継続状態を表す状態動詞です。
対して、「食べる」は食べ終わったらその動作が終了する動作動詞ですね。
このように常識的に考えることで上手く使い分けができるようになります。
run
「run」という動詞には、「走る」という意味がありますね。
そして、覚えるべき2番目の意味として
「運営する」
という意味があるのは皆さん知っているでしょうか?
さて、「run」のもつこの二つの意味をそれぞれ動作動詞と状態動詞に分けてみましょう。
そうすると、皆さんの推測どおり、
- 走る…動作動詞
- 運営する…状態動詞
となります。
ですので、
〇 He runs so fast.
〇 He is running so fast.
と、「走る」の意味に対しては現在進行形「ing」が使えるのに対し、
〇 He runs sushi shop in Ginza.
× He is running sushi shop in Ginza.
(”営業している”という意味でとらえるならば〇)
となるんです。
このほかにも、このように一つの動詞で両方の使い方を持つものがありますので注意しましょう。
文法によっては継続動詞でも現在進行形になる
「live」は「住んでいる」という継続状態を表すので
基本的には状態動詞として扱われています。
ですが、以下のような文章は「~ing」形を使ってもいいケースです。
これは、人生の長いスパンの中で大阪に住んでいたのは過去進行形(was ~ing)で表せるくらい短い期間であったというニュアンスを付け加えます。
同様に、以下のような文章でも継続動詞が「~ing」形で使われることがあります。
この場合、「want」という動詞は通常人間が「欲しい」と思う場合継続状態ですが、
「犬」や「赤ちゃん」がこの「欲しい」を表現するときには泣いたり唸ったり、見つめたりと
「動作的要素」が強くなってくるため、このように表現することもできます。
現在進行形か現在形かを判断するときの注意点
冒頭でも触れたように、英訳問題の場合、「~ている」と表現されるものがあります。
- 知っている
- 必要としている
- 似ている
- 飼っている
などです。
上記に挙げたものは全て英語に訳すと状態動詞であり、「~ing」形は使いません。
このように、日本語ではあたかも
「私は動作動詞です!」
のように出題する英訳問題が多々ありますが、これらはすべて難易度HIGHのひっかけ問題です。
テストで出題されたりすると、多くの受験者が状態動詞にもかかわらず「~ing」形を使って間違えてしまいます。
ですので、
- 私は今本を読んでいます(動作動詞)
- ジョンとアリスは双子だけあって非常に似ています。(状態動詞)
のように、日本語での共通する言い回しの部分も、訳すときに
状態動詞にあたるのか、動作動詞にあたるのか、 自分で判断する必要があるということです。
現在進行形にできない動詞は決まっている?
現在進行形にできない動詞に関しては、いろいろと例が挙げられますが、やはり 常識で判断するのが一番です。
迷ったときは、この動詞が「動作」を表すものに振り分けられるのか、「状態」を表すものであるのかを自分で頭を使って判断しましょう。
慣れてきたら、感覚的に分かるようになります。
アドバイスとして書きましたが、ここでは状態動詞の特徴をつかむため
状態動詞として代表的なものを例に挙げておきます。
継続的な状態を示す動詞
- belong(所属している)
- resemble(似ている)
- contain(含んでいる)
- fit(フィットする)
- consist(構成する)
- seem(見える)
知覚や感情などに関する動詞
- see(見える)
- hear(聞こえる)
- smell(においがする)
- feel(感じる)
- like(好き)
- love(愛している)
- hate(大嫌い)
- prefer(~のほうが好き)
思考を表す動詞
- remember(覚えている)
- know(知っている)
- believe(信じている)
- want(欲しいと思う)
- need(必要としている)
- know(知っている)
- realize(気づく)
- suppose(提示する)
- understand(理解する)
まとめ
このような疑問は、
- 英語でいう進行形にあたるもの
- 英語でいう状態動詞
両方とも「~ている」という形で表す日本語という言語をもつ私たちだからこそもつ疑問です。
つまり、実質は分かりやすい理論なのに、
日本語と英語の違いが大きいために出る疑問ということですね。
このように疑問をもつことは良いことですが、
その疑問が消化しきれずにいると結局
「日本人英語」を習得するハメになってしまいます。
アドバイスとしていえるのは、
英語を英語そのものの言語として捉えること。
英語には英語独自のルールがありますので、それをすんなりと受け入れることが大切です。
ということで、今日はこの辺りでおしまいです。
さあ、引き続き英語の勉強頑張りましょうね!