ノックです。
さて今回は、動詞の前につくtoが 前置詞なのか、はたまた to不定詞のtoなのかの見分け方をご紹介したいと思います。
会話しているときにあべこべにして理解していると、全く異なる意味で解釈してしまったり、時には話がかみ合わなくなってしまう、なんてこともありますので、きちんと理解したいものです。
では始まり!
「to」の見分け方
文章や話ことばの中で、toは出ないことはないといってもいいくらい頻繁に出てきます。
また、toはそれ自体に対訳があるわけではないので「toは日本語でこれこれ」とは訳せません。
そしてもちろん、 前置詞としてのtoとto不定詞のtoでは全くtoの役割が異なるので、きちんと見分けられるようにしておく必要があります。
そしてその見分け方というのはずばり、
toの後に動詞の原形が続くなら → 不定詞
toの後に名詞や動名詞が続くなら → 前置詞
です。簡単ですよね。
難しいことはありません。以下の例文を見ながら確認していきましょう。
前置詞としての「to」
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まずは、前置詞としてのtoについて確認していきましょう。
そもそも、前置詞って何だっけ?
前置詞とは、その名の通り、前に置く詞です。つまり、名詞の直前に置いて、その名詞が文章全体でどのような役割を持つのか規定します。
ちなみに前置詞を英語でいうとprepositionと言います。pre(前に)position(ある)ということですね。
日本語でいうと、「昨日 から」「図書館 で」のからやでように名詞の意味を補う役割があります。
前置詞としての「to」の見分け方・訳し方
感のいい人ならもうわかってしまうと思うのですが、前置詞とは先に説明した通り、名詞の前に置く詞なわけですから、 前置詞のtoであればその直後に来る単語は100%名詞になります(例外はありません)。
また、 動名詞は名詞ですので、前置詞のtoの後に動名詞が来ることももちろんあります。
前置詞のtoは、時間や場所、目的など「方向性」を表します。明確なゴール地点があって、そこに向かっていくイメージです。
前置詞/場所「~へ」の「to」
繰り返しになりますが、前置詞のtoは、方向性を表します。
「to」で伸ばした矢印が、「 目的地」についているというイメージです。
I went to Tokyo Disney Resort yesterday.
昨日東京ディズニーリゾートに行きました。
toの直後はTokyo Disney Resort(東京ディズニーリゾート)という名詞になっていますね。なのでこのtoは前置詞のtoです。
そして、toのコアイメージは、「方向性」です。この文章では、(どっから出発したかはわかりませんが) 東京ディズニーリゾートという明確な着地点が、前置詞のtoにより示されていることがわかります。
前置詞/人「~へ、に」の「to」
場所に関してだけではなく、物についてもそのイメージが使えます。例えば、人に何かを渡す時や、贈り物をして届いたときなんかにも、「to」のコアイメージである「方向性」が効きます。
Amazon sent a cardboard box to me yesterday.
Amazonから昨日私宛に荷物が届いた。
sendは送るという意味です。
これもディズニーランドの例文とほぼコアイメージは一緒。
(どの倉庫から配送されたかはわからないが) 「私」という明確な着地点に荷物が送られる、ということがtoのおかげでまじまじと理解できます。
余談ですが、sendはSVO系でもSVOO系でも使えます。上の文章の場合はSVO系になっています。
前置詞/「~ing」の前につく「to」
上にも書いた通り、前置詞としての「to」の後には必ず名詞が来ます。
つまり、言い方を変えれば、 名詞であれば何が来てもいいということです。
そこで、 動名詞が来る場合の例文を確認していきましょう。
He is looking forward to boarding on bullet train.
彼は新幹線に乗ることを楽しみにしている。
「He is looking forward to」という部分で「 彼が楽しみにしている」という訳になります。
「look forward」は「楽しみにする」という意味です。lookが「見る」という意味で「forward」が「先へ、前へ」という意味なので「to」で続く先にある出来事(boarding)を見ている、というところから「 楽しみだ」という表現になります。
このboardingはは動名詞といいます( 現在分詞ではありません!)。動名詞についてよくわからない方は、こちらの記事↓をどうぞ。
不定詞としての「to」
お次は、 不定詞のtoの見分け方についてみていきます。
そもそも、不定詞って何だっけ?
不定詞は実は結構難しいのですが、ここでは名詞的用法だけ説明します。
名詞的用法はその名の通り、動詞を「名詞っぽく」使うことを言います。
そしてその用法は、
to+動詞の原形
です。簡単ですよね。
不定詞としての「to」の見分け方・訳し方
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上で説明した通り、(例外なく)to+動詞の原形であればto不定詞なので、これを判断基準にして問題ありません。
この形を見つけたら、不定詞の3用法( 名詞的用法・ 形容詞的用法・ 副詞的用法)のうちのどれにあたるかを考えましょう。
不定詞/名詞的用法「○○すること」
「料理をすることが好き」「人にあいさつをすることは良いことだ」
このように、動詞を「~こと」の形で使うシーンは日本語でも沢山あります。
to+動詞の原形で、「~すること」としてあらわす用法を、名詞的用法といいます。
その名の通り、to+動詞の原形のセットで、名詞のように使えます。
I love to walk along Tama river.
多摩川沿いに歩くのが大好きです。
このtoは、名詞的用法のtoです。何々すること、と訳せますね。
不定詞/形容詞的用法「○○するための」
名詞を形容詞っぽく修飾したいときに、to不定詞の形容詞的用法が使えます。
つまりどういうことか、例文で確認していきましょう。
Excuse me, would you like something to drink?
すみません、何かお飲み物はいかがでしょうか。
something(何か)をto drinkで形容詞的に修飾しています。
somethingはワイルドカードのようなもので、よくこのようにto不定詞の形容詞的用法で修飾されることが多いです。覚えておきましょう。
This is the most well-known way to learn Korean.
これが最も有名な韓国語の学習方法です。
way(方法)をto learn Koreanで修飾していますね。
不定詞/副詞的用法「○○するために」
「副詞」のように情報を加える役割をする「 副詞的用法」という使い方もあります。
ある行動について、目的、理由などを述べるときに使います。
I study English every day to be a translator.
私は翻訳家になるために英語を毎日勉強します。
私は真実を伝えるためにボスに逢いに行った。
このように、動詞に対する補完情報として機能する副詞的用法もあります。
toは必ず前置詞とto不定詞のどちらかに属する
前項でお伝えした通り、toには大雑把にto不定詞のtoと前置詞のtoの二種類あります。
- 前置詞
- to不定詞
つまり、この世の中の英文全ての「to」は、この2つのどちらかに必ず属することになります。
どうでしょう?「toにはたったの2種類しかないんだ!」って思うことができれば、今までtoに対して持っていた苦手意識が少し薄くなった感じがしませんか?
そう。その気持ちが大事ですよ。
まとめ
いかがでしたか?
今回はtoの前置詞とto不定詞の見分け方について紹介しました。
ではまとめます。
- toの後に続く品詞に注目
- toの後に動詞の原形があればto不定詞
- toの後に名詞や動名詞がくれば前置詞
英文を読むときもこれを意識してみて下さい。大分読みやすくなりますよ。
ちなみに前置詞toについてのイメージはこちらの記事をみて下さいね。