ノックです。
みなさんは、英語の語順に苦労していませんか?
そういう人って世の中たくさんいます。
英語って語順が日本語と違って難しく感じますよね。でも安心して下さい!
たった 6つの法則を理解するだけで簡単に理解できるのです。
もちろん、勉強が進むにしたがって色々と文型の変化などは出てきますが、「今、自分のレベルに合った鉄則の覚え方が知りたい!」という人のために、英語の語順についてとことん解説していきますね!
日本人が英語の語順が苦手な理由
世界中の国の中でも、日本人は英語が非常に苦手だということで知られています。
そもそも、一生懸命努力する、良いところをもった日本人がどうして英語の語順に苦労するのか?
実は、英語と日本語が非常にかけ離れた言語であるところに理由があります。
海外では基本5文型を覚えないで英語を学ぶ
基本5文型というのは、皆さん知っていますよね。日本の英語教育では流通している概念で、
- S(主語)
- V(述語)
- O(目的語)
- C(補語)
を使って示す文法の表現方法です。
一つ一つの語句、または一つ一つの節を、このように文章の中の役割(要素)に分けることで、英語の語順をルール化してしまおうというのがこの概念の特徴です。
- 第1文型:SV
- 第2文型:SVC
- 第3文型:SVO
- 第4文型:SVOO
- 第5文型:SVOC
しかし、こんな複雑な覚え方をしているのは、日本や他アジア諸国など、英語とかけ離れた文型をもち、「文章の初歩的な作り方」から学ばなければならない国のみなんです。
海外、特にヨーロッパやメキシコなどの南アメリカの言語は、基本5文型を学ばずとも、自分の言語の「単語」を入れ替えるだけで英語の語順が完成する(または近い形になる)ことが多いです。
したがって、海外では「基本5文型」を意識せずとも、すんなり学んで英語がペラペラと喋れてしまうところが多いんですね!(羨ましいですね!)
英語と日本語は歴史的に全く異なる言語
英語を学ぶ人はその語源、歴史に触れてみるとさらに興味がわいてきます。
そもそも人類はアフリカから各地へばらけていきましたが、単語の羅列であった人類の会話は文法によって定められていきました。
例をとると、ヨーロッパ圏に進出した人類はその地域で「 SVOの順」に会話をとるようになりました。
つまり、日本語でいうと、「太郎君が 蹴った ボールを」という順に基本は文章が構成されているのです。
つまり、スペイン語、ドイツ語、フランス語、イタリア語などの類です。
英語はイギリスで生まれた言語なので、イギリスと近いこの地域(ヨーロッパ)に住んでいる人々の言語は、語順が似ているためにちょっと勉強しただけで流暢になるわけです。
ちなみに、中国語も SVOで並んでいます。漢文を読んでみると実にその通りですね。
一方、日本語はといいますと、SOVという順に並んでいます。
つまり、「太郎君が ボールを 蹴った」という順に基本は文章が構成されているのです。
このような語順をしている言語は日本語だけでなく、韓国語やトルコ語などがあります。
- 英語と日本語は歴史的に全く異なる言語である
ということは英語学習において、「なぜできないんだ!」と自分を責めたりする前に知っておかなければならないことです。
海外のネイティブスピーカーでない英語学習者と自分を比べて落ち込む必要はないんです。
あなたが今行き詰っている「語順」は、日本人が英語学習する上で「必ず」といっていいほどよくつまづく部分で、今才能がないと落ち込んだり、無駄なことをしていると思う必要はないんですよ。
今、あなたは正しく頑張っているんです!
日本語が英語と大きく違うことを示す例①「後ろから訳せ」
日本語がどれだけ世界の(英語圏の)言語と違うかを示す一例として、
「英文は主語以外は後ろから訳せ」ということを聞いたことはありませんか?
多くの人がこういう理由は、英語を後ろから訳すと日本語の並びになることが多いからです。
長い文章になった時にこの訳し方は功を奏します。
この文章でも、おおよそ後ろから順順に前に繋がっているのが分かります。
全てにおいて必ずそうだとは限りませんが、覚えておくと便利です。
特に時間制限のあるテストなどでは、これを覚えておくことで訳す時間が短縮できます。
このような「反転法」でいかに日本語が英語と違うのかを実感できるでしょう。
これが英語学習の最終ゴールである「英会話」となると、頭の中でその「正反対」の言語を整理しながらしゃべらなければならないので、しっかり覚え込むのが必要になります。
日本語が英語と大きく違うことを示す例②「住所の書き方」
住所を書く順番も、日本語と英語の大きな違いを示す良い例です。
日本の住所の書き方と英語の住所の書き方を比べてみましょう。
日本語:日本 東京都新宿区赤城下町1234-5
順番が違うのに気づいたでしょうか?
英語は、自分がいるところから始まり、だんだんと区域を広げていく書き方であり、一方日本は大きいところから、自分が今どこにいるのか、徐々に特定していく書き方をしています。
そう、 真逆なんですね。
英語の語順を理解する6つのルール
英語は、日本語と違い、語順が文章の意味を成す重要な部分です。
日本語は、「私は」の「は」、「彼に」の「に」、「公園に」の「に」、「ボールで」の「で」など、文章を装飾する 助詞の数や種類が豊富なため、英語に比べると語順がそこまで重要ではありません。
英語の語順を完璧に理解するためには、イメージで理解するのが早いです。
- 英語は「木」のイメージ
- 英語は「ツッコミ」が命!
- 内から外へ
- 英語は「大切な情報から」
- 英語は疑問文以外は主語、述語が必須!
- 主語、述語は必ず1単語とは限らない!
このルールを覚えておけば、語順問題などで「あれ?どっちが先だろう?」と思ったときに「ピン」とくることがあるはずです。
では、見ていきましょう。
英語は「木」のイメージ
英語は、「 木」が育っていくようなイメージに似ています。
まず、 主語という種があって、 述語という幹が伸びていき、そして 補語や目的語といった枝が伸びていくイメージです。
種というのは、植物が育つ上で「始まり」に位置する部分であり、「幹」は枝を支える根幹の部分です。
枝(補語や目的語)は伸びていく順番があり、文章(主語、述語)に装飾を与えるものになります。
英語の語順は、一番主要な部分から決まったルールで育っていく「 木」のようなものなのです。
英語は疑問文以外は主語、述語が必須!
日本語は文脈で流れるように会話する言語であり、ある程度語順に寛容な部分が特徴です。
なので、主語が「私」である場合は特に省略される時が多いです。
日本語では、
私「そうだよ〜。学生だよ〜」
というふうに最初から省略される場合が多々あります。
対して英語は、
I am a student.
私は学生です。
I= 私ですね。
Am a student.
という風にはなりません。
英語だと必ず主語が必要になります。
日本語では、文章の役割でいうと「どうする」に当たる部分だけで文章が完成してしまうことが多いですが、英語では「何が(主語)」「どうする(述語)」という風に主語と述語をつなげることが文章の始まりです。
- 第1文型:SV
- 第2文型:SVC
- 第3文型:SVO
- 第4文型:SVOO
- 第5文型:SVOC
このように、5文型がすべてSVで始まっていますね。これは基本的に英語の文章で適用されるルールなので、しっかり覚えておきましょう。
英語は「ツッコミ」が命!
「 ツッコミって何のことだ?」と、全然理解できない人がいるでしょう。
先に書いた通り、英語は日本語のように助詞がない代わりに、一定の語順を正しく並べて文章の意味を成すように作られています。
語順を正しく理解するために、英語の文法に関する第5文型というルールがありますが、それをかみ砕いて考えてみると、結局は「大切な情報」順に並んでいるのです。
上記で書いたように、必ず文章は
- I wrote「私が」「書いた」
- He spilled「彼が」「こぼした」
- My sister gave「お姉さんが」「あげた」
- I feel「私は」「感じた」
などというように主語・述語によって始まりますが、大切なのはそのあとです。
ここまで書いたところで、
- I wrote「私が」「書いた」→何を?
- He spilled「彼が」「こぼした」→何を?
- My sister gave「お姉さんが」「あげた」→誰に、何を?
- I feel「私は」「感じた」→どう?
というふうに、 ツッコミたくなりませんか?
そうなんです、そのナニワのツッコミ魂が必要なのです。
英語の文章は、大切な情報順に並んでいるというのを利用して、知りたい情報順に語句を並べると、
- I wrote a letter. (私は手紙を書いた。)
- He spilled juice. (彼はジュースをこぼした。)
- My sister gave him a gift. (お姉さんは彼にギフトをあげた。)
- I feel sad. (私は悲しく感じる。)
ほら、正しい語順になったでしょう?
中心から外へ
上記に、「住所」の例でも紹介したように、英語は、自分がいるところから始まり、だんだんと区域を広げていく書き方であり、一方日本は大きいところから、自分が今どこにいるのか、徐々に特定していく書き方をしています。
このように、英語は、ある特定の「 中心」部分から外へ広がっていく方法で語順を並べることが特徴です。
これは、文化的な違いの現れでもあります。中心、つまり「個」を主体とする英語をしゃべる国々では、「個人主義」の文化が強いと言われます。
それゆえ、言語でもポイントとなる部分を(から)ズバッと言い切り、物事をはっきりさせるという特徴があります。
対して日本では、「集団主義」と言われており、一概に周囲との調和をより重んじる文化であり、言語にもそれが表出しているようです。
そのため、補足となる情報から巡り巡って辿りついたところが主体となるようなイメージです。
このようなイメージを頭に入れながら英語の語順を並べると、少しずつ理解できると思います。
英語は「大切な情報から」
以上に書いた複数のポイントをまとめると、英語の語順は、「大切な情報から」並べていくことを意識すれば、イメージがつかめるでしょう。
「木」が地面からのびていくように。
中心から外へ広がっていくように。
そんなイメージです。
補足となる情報は後に回して、その文章の「かなめ」となる語句からズバッと言い切ることが、語順において大切です。
主語、述語は必ず1単語とは限らない!
ここまできたら、大体理解できたと思いますが、もう一つ付け加えておきたいことがあります。
それは、主語、述語が必ず1語とは限らないということです。
これが、よく語順に関するテスト問題のひっかけに使われます。
具体的な例を挙げて説明していきます。
I and my brother were fine.
私と弟は大丈夫でした。
この場合の主語はどれでしょう?
と聞かれたら何と答えますか?
答えは「I and my brother」なんです。
主語が4語もあり、頭でっかちな文章ですが、こういう場合もあり得るのです。
What I want to do the most tomorrow is to invite all my friends and have a party.
明日一番やりたいことは、友達みんなを誘ってパーティすることだ。
この場合も、主語が長く、「What I want to do the most tomorrow」になります。
こういった頭でっかちな文章はよくテストで出題されます。
この文章が、語順問題に出題されたら、解くことができますか?
I had been wanting to eat a cake by then.
そのときまでずっとケーキを食べたかった。
この文章で述語となる部分はどれですか?
答えは「had been wanting to eat」です。
このケースのように、述語が長くなる場合もあります。
以上をまとめると、主語も述語も、必ず1語とは限らず、ぐっと長くなる場合も多々あるので、注意が必要です。
語順問題に挑戦!

では、英語の語順に関するイメージを掴んだところで、語順に関するテスト問題を作成してみましたので、挑戦してみましょう!
「こういったトリックがあったのか!」と理解できると思います。
例題1
日本文に合うように、次の語句を並べ替えなさい
ケンは学校の帰りに鉛筆を買いました
1.Ken 2.after school 3.a pencil 4. bought
例題2
日本文に合うように、次の語句を並べ替えなさい
私はチョコレートケーキを作って、それを彼氏にあげた
1.gave 2.and 3.made a chocolate cake 4. I 5. it 6. to my boyfriend
例題3
日本文に合うように、次の語句を並べ替えなさい
私とケンが今一番したいことは、ダンスを踊ることです
1.want to do 2.the most 3.I and Ken 4. What 6. is to dance
例題4
日本文に合うように、次の語句を並べ替えなさい
弟は、ずっと風船を見つめていた
1.My brother 2.had 3. been watching 4. a baloon
例題5
日本文に合うように、次の語句を並べ替えなさい
なんであの日お父さんに「嫌い」と言ったの?
1."I hate you" 2.Why 3.did 4. you 5. say 6. to your father 7. on that day/?
例題1の答え
答えは 1.Ken 4. bought 3.a pencil 2.after school
選択肢の中で 主語、 述語になれる要素はそれぞれ 1.Ken と 4. bought です。「ケンは買った」となりますね。
そのあとに来る語句は、「何を?」という ツッコミに対応するものなので 3.a pencil となります。
Ken bought a pencil after school. (ケンは学校の帰りに鉛筆を買いました)
例題2の答え
答えは 4. I 3.made a chocolate cake 2.and 1.gave 5. it 6. to my boyfriend
主語と 述語をまず選びましょう。
「私は」「作った」に対応する部分なので 4. I 3.made a chocolate cake ですね。
「作って」と並列の文章なのでこの後「and」でつながる文章になります。したがって、次に来るのは 2.and
残っているのは「それを彼氏にあげた」です。
ここでは、日本語の省略がかかっています。つまり「(それを)」ですね。
「あげた(1.gave)」→何を→それを。→誰に?→彼氏に。という順番で並べ、
1.gave 5. it 6. to my boyfriend と続きます。
I made a chocolate cake and gave it to my boyfriend
(私はチョコレートケーキを作って、それを彼氏にあげた)
例題3の答え
答えは、4. What 3.I and Ken 1.want to do 2.the most 6. is to dance
主語は分かりにくいですが、分かりましたか?
ここでは、主語が「私とケン」、ではなく「私とケンが今一番したいこと」です。
それが、「AはBです」という形になっており、 SVCの構文と対応しています。
4. What 3.I and Ken 1.want to do 2.the most で、「私とケンが今一番したいこと」となりますね。
そして、あとは残りの 6. is to dance をつなげるだけです。
What I and Ken want to do the most is to dance.
(私とケンが今一番したいことは、ダンスを踊ることです)
例題4の答え
答えは、1.My brother 2.had 3. been watching 4. a baloon
主語は当然 1.My brother ですが、 述語を探してみると、
(ずっと)を見つめていたの部分が述語になります。
2.had 3. been watching という順番で、(ずっと)の意味が含まれ、「見つめていた」という訳になります。
My brother had been watching a baloon(弟は、ずっと風船を見つめていた)
例題5の答え
答えは2.Why 3.did 4. you 7. say 1."I hate you" 6. to your father 5. on that day /?
これは疑問文なので、難しいところがありますね。
疑問文は、この記事では触れていませんが、習っている堤で話していきますね。
「なぜ」という疑問文を頭につけて、2.Why
「言った」部分を疑問詞に対応する語順に並べると3.did 4. you 7. say
- sayのあとには、「何を」が来ますから、1."I hate you"
そして、そのあとに続くのが 6. to your father と 5. on that day なのですが、どちらの情報が大切かを考えたときに、 6. to your father が適切だと分かります。
Why did you say "I hate you" to your father?(なんであの日お父さんに「嫌い」と言ったの?)
英語の語順に慣れる方法
イメージでは理解できたけど、英会話など実際に使用するときになったらパッと出てこないという方が多いのではないでしょうか?
そんな方たちのために、私のおすすめの「英語の語順に慣れる方法」を以下にまとめました!
英語の語順に慣れる方法① 短いフレーズをたくさん覚えよう!
さて、英語の語順になれるためには、できるだけ多くの例文に出会うことが大切です。
すべての文章は、第5文型のいずれかの形に当てはまります。
疑問文も強調文も、もとはといえば 第5文型であった文章が変化してできたものです。
なので、英語の語順には確固たるルールがあると思っておいて下さい。
沢山の短いフレーズを覚えていくことで、その文章に使われている文型を少しずつ、少しずつ吸収していくことができます。
とくに、語順の感覚を身に着けたいという方であれば、その例文やフレーズ自体が短くても全然問題はありません。
沢山の短いフレーズを覚えれば、「塵も積もれば山となる」で、その小さな努力が実を結び、ふとした瞬間に語順が分かるようになっているはずです。
英語の語順に慣れる方法② 「心の中のつぶやき」
最初のうちは主語を付けるのをどうしても忘れてしまうと思います。
そんな時は、
心の中で独り言を言います。
仕事をしている時や、
I am very hungry.
私はお腹空いたな
電車に乗っている時など、
He got on the train.
彼はギリギリ電車に乗ったな
独り言の最大のメリットは いつでもどこでもできることです。
主語を付ける癖をつけておきます。
暇な時など是非やってみましょう!
独り言は以下の記事も参考になります。
まとめ

いかがでしたか?
英語は 語順に厳しい言語です。
だからこそ、言語自体に大きくギャップを持っている日本語を母国語とする人、つまり私たちは人一倍努力しなければなりません。
日本語ももしかすると語順に厳しくなるのかもしれませんが、
それは私たちの知りえる未来には起こりえないでしょう。
言語というものは矛盾も多くはらんでいます。
なにせ進歩の途中なのですから!
それでも英語の語順をイメージで理解して使いこなせるようになれたら素敵ですよね。